カニと名前がつくけれど、本当にカニなの?多くの人が疑問に思うタラバガニ。
実は、あの大きなカニはカニではないかもしれません。
この記事では、タラバガニをはじめ、ズワイガニ、毛ガニ、花咲ガニの正体に迫ります。
見た目だけでなく、科学的な分類や面白い事実も交えて、あなたのカニに対する疑問を解消します。
1.タラバガニはカニじゃない?
タラバガニが一般的にカニと認識されていますが、科学的な分類では実はカニではありません。
タラバガニは「十脚目 抱卵亜目 ヤドカリ下目 タラバガニ上科 タラバガニ科」に分類され、これはヤドカリの仲間であることを意味しています。
具体的には、カニとヤドカリはどちらも甲殻類に属しているものの、カニはカニ下目に分類されるのに対し、タラバガニはヤドカリ下目に属しています。
この違いは、その構造にも現れています。
例えば、カニの体は一般に幅広くて平たい形をしているのに対し、タラバガニ(ヤドカリの仲間)の体形はより長くて細長いです。
また、タラバガニの胸部と腹部がしっかりと癒合している点も、ヤドカリ類の特徴の一つです。
2.ズワイガニはカニじゃない?
ズワイガニは一般的に「カニ」として広く知られ、愛されていますが、「ズワイガニはカニじゃない?」という疑問を持っている人もいます。
しかし、ズワイガニは科学的な分類において明確にカニの仲間に属しています。
ズワイガニは「十脚目 抱卵亜目 カニ下目 ケセンガニ科 ズワイガニ属」と分類され、この分類はズワイガニがカニであることを確かなものとしています。
カニ下目に分類されるズワイガニは、その特徴からもカニであることが見て取れます。
例えば、ズワイガニには以下のような特徴があります:
- 甲羅の形状:ズワイガニの甲羅は広くて堅固で、一般的なカニの形をしています。
- 脚の構造:ズワイガニは五対の脚を持っており、その中の一対がはさみ脚として発達しています。
また、ズワイガニは冷水性の底生生物であり、日本を含む北太平洋の冷たい海域に生息しています。
これらの特性は、ズワイガニがカニとしての特徴をしっかりと有していることを示しています。
したがって、ズワイガニは間違いなくカニの仲間であり、その美味しさや栄養価の高さから日本をはじめとする多くの国で高い評価を受けています。
3.毛ガニはカニじゃない?
毛ガニについてもしばしば「本当にカニなの?」という疑問が持ち上がることがありますが、科学的分類によると、毛ガニは確実にカニの仲間です。
毛ガニは「十脚目 カニ下目 クリガニ上科 クリガニ科 ケガニ属」と分類されており、この分類は毛ガニが典型的なカニの特徴を持っていることを示しています。
毛ガニの主な特徴は以下の通りです。
- 甲羅の特徴:毛ガニの甲羅は比較的丸く、表面には特徴的な毛が密生しています。この毛が冷たい水温に適応した進化の一環であると考えられています。
- 脚の構造:五対の脚があり、前の一対は太く発達したはさみ脚で、捕食や防御に使用されます。
毛ガニは主に寒冷な海域に生息しており、特に北太平洋の冷たい水域に豊富に存在します。
毛ガニの肉質は非常に評価が高く、特にその甲羅内の「カニミソ」は日本国内で高級珍味とされています。
このように、毛ガニは形態的、生態的特徴ともにカニの典型的な特性を持っているため、毛ガニが「カニではない」という疑問には明確に「カニである」と答えることができます。
4.花咲ガニはカニじゃない?
花咲ガニに関して「カニではないのでは?」という疑問が持ち上がることがありますが、実際には彼らはカニではなく、ヤドカリの一種です。
科学的には「十脚目 ヤドカリ下目 タラバガニ科 タラバガニ属 ハナサキガニ」と分類されており、このことからも明らかなように、花咲ガニはタラバガニと同じ属に属していますが、カニ下目ではなくヤドカリ下目に分類されるため、厳密にはカニとは異なるグループに属しています。
花咲ガニの主要な特徴は以下の通りです。
- 体形の特徴:カニに似ているものの、体形はカニよりもやや細長く、脚も長いです。
- 生息環境:寒冷な海域を好み、特に北海道周辺の冷たい海でよく見られます。
花咲ガニは食用としても非常に人気があり、特にその肉の味わいはカニと比較しても劣らないため、カニとして認識されがちです。
しかし、分類学的にはカニとは異なるため、この記事ではその違いを明確にしています。
このように、花咲ガニは見た目や料理での利用方法がカニに似ていますが、ヤドカリの仲間であるという事実は料理を選ぶ際や自然界の理解を深める上で興味深いポイントです。
カニじゃない?タラバガニ・ズワイガニ・毛ガニ・花咲ガニの正体は?のまとめ
こちらのページでは、タラバガニ、ズワイガニ、毛ガニ、花咲ガニの四種類の「カニ」とされる生物の正体に迫りました。
以下にその要点をまとめます。
タラバガニ – 実はカニではなく、ヤドカリの一種です。分類学的には「十脚目 抱卵亜目 ヤドカリ下目 タラバガニ上科 タラバガニ科」に属しています。
ズワイガニ – これは正真正銘のカニで、「十脚目 抱卵亜目 カニ下目 ケセンガニ科 ズワイガニ属」に分類されます。
毛ガニ – これもカニの一種で、「十脚目 カニ下目 クリガニ上科 クリガニ科 ケガニ属」に属します。
花咲ガニ – タラバガニと同様に、カニではなくヤドカリの一種です。「十脚目 ヤドカリ下目 タラバガニ科 タラバガニ属 ハナサキガニ」と分類され、主に北海道周辺の冷たい海域に生息しています。
これらの情報は、それぞれの種類がカニとして市場に出回っている背景や、その分類学的な正体を理解するのに役立ちます。
外見だけではなく、その分類と特徴を知ることで、さらに深い知識を持ってこれらの海産物を楽しむことができるでしょう。